むかし思い描いた夢、夢の形は変わっても夢の源は変わらない?
この記事を書いている人 - WRITER -
1976年生まれ、群馬県在住。
ヒプノセラピーの先進国、アメリカ合衆国の中でも長い歴史を誇る、ヒプノセラピーのナンバーワン・プロ団体「NGH」。ナンバーツーの規模を誇る「ABH」の両団体より公式認定されたスクールにて、ベーシック・トレーニング、プロフェッショナル・トレーニング、トレーナー・トレーニングの全コースを修了。
ヒプノセラピスト(催眠療法士)となる。
>>
詳しいプロフィールはこちら
夢の形と夢の源
むかし思い描いた夢、その夢の形は、あなたの経験に合わせて変化することもあります。
でもその夢の源は、変わっていないのかもしれません。
エピソード
女性Lさんは、恋人との間に結婚の話が出始めると、相手との関係に魅力を感じなくなってしまう傾向がありました。
Lさんは結婚したいと思っているのに、この矛盾する気持ちに戸惑っていました。
Lさんが恋人との関係に魅力を感じなくなってくると、今度は何かを夢中でやってみたい感情が湧いてくるそうです。
Lさんの中に存在する、この2つの反比例した感情は何を示しているのでしょうか。
セッションでは、Lさんをドアのある部屋に誘導し、そのドアから現れる人物と会話をしてもらいました。
そのドアから現れたのは、中学生のLさんでした。
中学生のLさんがドアから現れた時、Lさんは「気まずい。」と答えました。
Lさんに、「あなたがもし会いたくないなら、彼女(中学生のLさん)には部屋から出てってもらいます。ただ、中学生のあなたは、今のあなたにどんな感情を持っていると思いますか?」と質問すると、Lさんはしばらく経ってから途切れ途切れに「、、、もう遠回りしなくていいんだよって、、、心配してくれている、、、」と話しました。
ここから中学生の自分に対するLさんの感情が変わっていき、中学生の自分にアソシエイト(当時の感情と一体化する)するようになっていきました。
そこでエンプティチェア を使って中学生のLさんから見た、今のLさんの恋愛の印象を聞くと、「Lさんにとって(恋愛は)人生の暇つぶし?みたいなもの」と答えました。
中学生のLさんに、「Lさんが暇つぶしをするのは、やりたい事が無いからなのか、それともやりたい事が出来ないからなのか?」尋ねると、中学生のLさんは俯いて「Lさんは、本当は英語をもっと勉強したかったけど、ふさわしくないから辞めてしまった」と小声で言いました。
Lさんが、英語の勉強を続けるのに必要だったふさわしさとは何なのでしょうか?
そのふさわしさとは、「人望があり、目立つ才能を持ち、この人の言うことなら聞いても良いと思わせる魅力を持っている」ことでした。
これはLさんが自分の人生に採用したビリーフです。
Lさんは中学生の時、ある出来事があり、その時Lさんは、自分のような地味な人間は、いろいろな人たちと意見を交換し、互いに理解し合う資格が無いと感じました。
それ以降、人生に情熱を持って積極的になることを恐れるようになったようです。
中学生の時、Lさんが描いていた夢は、様々な国の人たちと交流する、ある国際機関で働くことでした。
しかし、人生に積極的になることを恐れるようになったLさんは、この夢は、自分には叶えられないと思い、別の道を選択しました。
ここでLさんに、別の選択が出来たポイントに戻ってもらい、別の並行現実を体験してもらいました。
この体験を通してLさんは、「一番自分が経験したかったことは、国際機関で働くことじゃなく、多くの言語を習得して、様々な国の人と心の交流をすることだった、今でもやってみたい」と話しました。
Lさんに、「言語を習得して、いろいろな国の人と交流する機会は、身近にありそうですか?」と尋ねると、「はい、実は地域の情報誌で、外国人との交流の場をチェックしていました。でも自分にはもう関係ないと思って、読むだけでした。」と答えました。
余談
Lさんは、英語の勉強に力を入れなくなってからも、海外の映画は字幕なしで観るようにしていました。
勉強という形を取らなくても、英語に接することからは遠ざかっていなかったようです。
新しい視点
Lさんのガイドは、Lさんの現状について、「自分が向かいたいところに向かい出せば、恋愛についても違った見方が出来てくる。Lさんは(恋愛に関して)本当はとても慎重な人、だから今の気持ちのまま結婚に進めないと感じて、気持ちの矛盾が生まれた」と話しました。
この言葉に対してLさんは、「相手も自分も大切にできるような恋愛がしたい」と言いました。
そして中学生の時の夢については、「あの頃のワクワクした気持ちを思い出せた。そして今も、その気持ちを変わらず持っていたことがわかった」と話しました。
これがLさんの新しい視点なのかもしれません。
Lさんにとって、夢の形は変わって別の仕事に就いていても、様々な国の人たちと交流したいと言う夢の源は、変わっていませんでした。
今のLさんは、この夢の源を、今後どんな形にしていくのでしょうか。