トラウマの奥に隠された本当のトラウマ、 本当のトラウマを解放するには適切なタイミングがある:No1
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1976年生まれ、群馬県在住。
ヒプノセラピーの先進国、アメリカ合衆国の中でも長い歴史を誇る、ヒプノセラピーのナンバーワン・プロ団体「NGH」。ナンバーツーの規模を誇る「ABH」の両団体より公式認定されたスクールにて、ベーシック・トレーニング、プロフェッショナル・トレーニング、トレーナー・トレーニングの全コースを修了。
ヒプノセラピスト(催眠療法士)となる。
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本当のトラウマとは?
本当のトラウマとは、そのトラウマの感情が一番最初に発生したトラウマを指します。
例をあげると、男性Mさんは父親の躾方法に対して、あるトラウマを持っていました。
セッションでMさんの潜在意識にアクセスしていくと、父親へのトラウマは本当のトラウマの派生で、本当のトラウマは中世トルコで、ある派閥のリーダーをしていた時に起きていました。
ヒプノセラピーでは、数々の転生で経験したトラウマの感情はそれぞれ鎖で繋がれたように互いに影響し合っているといわれています。
あなたが「恐怖」というトラウマを、5つの転生で持っていた場合、その5つの転生は「恐怖」という感情の鎖で繋がっているということになります。
あなたの意識の中にある、「恐怖」のトラウマを克服するには、この5つの転生のうち、一番最初のトラウマを取り除きます。
すると発生源の「恐怖」の感情が消失したので、感情の鎖も崩壊し、残りの4つの転生のトラウマから解放されたり、または被害者意識でない新しい視点を持つことになります。
よって効率的なセッションは、ダイレクトに本当のトラウマを取り除くことなのですが、本当のトラウマは感情的にとても重たい為、本人の精神的な受け入れ準備が整った場合以外は、そのトラウマにアクセスするのが難しくなります。
アクセス出来ても、本人の拒絶する意識が邪魔をして断片的だったり、抽象的な情報ばかりでセッションの質が大きく低下します。
ところが潜在意識が、あなたが本当のトラウマを受け入れる準備が整ったと判断すると、面白いことにあなたの意識の隙をついてトラウマと対面せざる負えない状況を作り出します。
これが本当のトラウマを解放する適切なタイミングです。
エピソード
先ほどのMさんは、本当のトラウマにアクセスして克服するまでにヒプノセラピーとNLPの手法を使って、4回のセッションが必要でした。
このセッショはMさんの本当のトラウマに対する拒絶と、解決しトラウマを解放させたい潜在意識とのぶつかり合いでした。
というのも別のテーマでセッションしても、必ず中世トルコの派閥のリーダーの時代に意識が移動してしまうのです。
このような状況にMさん自身もだんだんとその重要性を認識しはじめ、トラウマに向き合う姿勢を整えながら、進めていったセッションでした。
このMさんのエピソードはまたの機会にしますが、私もMさんと同じように、本当のトラウマにアクセスして多くの情報を取ってくるまでに自己催眠を含めて計3回かかりました。
当時サラリーマンだった私は、会社に非が無い、先方の誤解から生じた問題案件を解決しようとしていました。
この案件は先方の誤解を解き、この件に関しての会社の損失を先方に請求して、かつ進行中の取引について今後の方向性を決めることでした。
この仕事で思わぬことが起きました。最初の交渉の場で、先方の代理人のうちの1人が話すと、なぜか私は恐怖からくる激しい怒りを感じました。
このような交渉の場で、感情的に反応することはタブーな為、絶対にしないのですがその時はそのタブーを破ってしまいそうな状態でした。
このようなことが数回続いたあと、私はセッションを受け、本当のトラウマへアクセスすることになります。
本当のトラウマを拒否した1回目のセッション
いつもセッションで誘導されると、目的の場面が私の周囲を囲み始めるのですが、この時は目的の場面でなく、当日の朝起きてからセッションを受けるまでの全ての場面が、早送りで私の周囲に展開されました。
かなり早い早送りで、目まいが起きそうでした。
いつもと違う状況に、「催眠に入らないのでは?」と思いましたが、目的のトラウマがどこにあるのか現在の私にはわからない為、潜在意識に任せるしかありません。
潜在意識が示すものに任せればいいと決めたとき、真っ暗な空間にポンと浮かび次の瞬間に、私は室町時代に百姓をしていた31歳のトミキチという男性の意識にアクセスしました。
トミキチの周囲の情景は、田んぼと粗末な家屋があるばかりの田舎なのですが、異様なのは、道端に飢えて亡くなった老人の遺体が捨て置かれていました。
しかしなぜかトミキチは、その光景を日常として感じているのです。
その時、セラピストがこの場面が最初のトラウマか確認してきました。
するとフラッシュバックのように、(11歳の男の子、フランス、レンガの塔)が現れました。
そしてセラピストが再度、トミキチが最初のトラウマか確認してきたとき、私は「いいえ、違います。最初はフランスの11歳の男の子の時です」と答えたのですが、その直後、身体の底から鳥肌が立ち「そこ(11歳の男の子の場面)には行きたくない!!!」と大声で叫んでいました。
そのあとセラピストの判断で、今回はトミキチの人生のトラウマを解放することになりました。
本当のトラウマでないにも関わらず、私はこのトミキチにかなり深くアソシエイト(感情と一体となった状態)し、トミキチのトラウマに対して大きく取り乱しました。
私の興奮状態が高まり過ぎた時、セラピストがこのトミキチの感情から私をディソシエイト(感情と分離した状態)させ、ここからは感情に深く触れないNLPのある手法に切り替えて安全に誘導してくれました。
この1回目のセッションの激しさから、私は本当のトラウマである11歳の男の子にアクセスするのが恐ろしくなり、2回目のセッションはしばらく経ってからにしようと思いました。
しかし既に私は本当のトラウマがあることを知ってしまった為、先の交渉の場で結果を出すには、早めにトラウマを克服せざる負えない状況でもありました。
ー次回に続きます。