自分自身への怒りはパワフル
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1976年生まれ、群馬県在住。
ヒプノセラピーの先進国、アメリカ合衆国の中でも長い歴史を誇る、ヒプノセラピーのナンバーワン・プロ団体「NGH」。ナンバーツーの規模を誇る「ABH」の両団体より公式認定されたスクールにて、ベーシック・トレーニング、プロフェッショナル・トレーニング、トレーナー・トレーニングの全コースを修了。
ヒプノセラピスト(催眠療法士)となる。
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自分への怒り
自分自身に対する感情の中で、自分への怒りはあなたに大きく影響します。
自分自身に対する怒りのバランスが取れなくなってくると、その歪みはあなたを揺さぶり始めます。
そんな時は、あなたの潜在意識に何かヒントがあるかもしれません。
エピソード
女性Wさんは、身近な人物からWさんに向けられる怒りに悩まされていました。
気にしないようにすればするほど気になってしまい、精神的に疲れていました。
そこで、この人物からの怒りに対処したいと考えセッションを受けました。
セッションでは、現在Wさんを取り巻く人物や物などをイメージの中で区分けして、
Wさんから一旦遠ざけた後、今回のセッションのテーマである、Wさんに一番怒りを持っている人物に現れてもらいました。
Wさんに「1から3まで数を数えた後、その人物が現れます」と伝え、数を数え終わると、
Wさんはビクッと身体を硬らせた後、怪訝な表情になりました。
Wさんの目の前に現れたのは、Wさんにとって予想外の人物だったようです。
Wさんの前に現れたのは誰だったのでしょうか。
Wさんの目の前に現れた、Wさんに対して一番怒りを持っている人物は、Wさん自身でした。
Wさんに現れた自分自身の様子を尋ねると「とても穏やかな顔をしています。でも。。。首と肩のあたりに、赤黒い煙が揺らいでいます。その煙をあまり見たくないのですが、その煙が胸の中心からも少し漏れていて、怖くて目が離せません。」と答えました。
Wさんに首と肩に揺らめいていた赤黒い煙からイメージを受け取ってもらうと、
Wさんは「爆発しそうな怒り、そして哀しみ」と答えました。
そして「なぜ私自身が現れたのでしょうか?」と言いました。
そこでWさんに、この場にWさんを悩ますあの身近な人物も呼んでもらい、2人を並べてもらいました。
2人の様子をWさんに観察してもらうと、Wさんを悩ませている身近な人物から怒りは伝わってこなく、
その人物と比較するとWさん自身からとても大きな怒りが伝わってくることがわかりました。
ここからWさんの口調が重くなってきたので、怒りを持っているWさん自身に意識をアソシエイトしてもらい(その時の感情と一体となった状態)、怒りを持っているWさん自身とのやりとりが始まりました。
怒りを持ったWさんによると「今後どれだけ頑張っても、私が私を嫌いつづける限り、人生の何も変えられない」と言いました。
そして「これ以上、私を馬鹿にすることはやめて!!」と強い口調になりました。
そこでこの怒りを持ったWさんに、どういうことをWさんにされると馬鹿にされたと感じるのか具体的な出来事を挙げてもらうと、
怒りを持ったWさんは3つの(現在進行中の)出来事を挙げました。
ここからはWさんのガイドを交えて、この3つの出来事について、Wさん本人からの意見も聞いてセッションを進めて行きました。
この中で、Wさん本人は、この3つの出来事について、2つについては納得し、残りの1つには拒絶を示しました。
Wさん本人が拒絶した出来事は、ある人との関係を断つことでした。
この関係を続ける限り、あのWさんの首や肩で揺らめいていた赤黒い煙が胸の中心からもっと体に広がっていくとガイドから忠告を受けましたが、Wさん本人は拒絶しました。
Wさん本人もその人が自分にとって良くない面があることは理解していましたが、
今後の変化に希望を持っており、その人がそばに居ない世界を想像することは今の自分には耐えられないと言いました。
そこでWさんに「その人との関わりをあなたの潜在意識を通して確認する必要性を感じますか?」と尋ねると、
Wさんは「ごめんなさい。。。今は知りたくないです。」と答えました。
Wさんに「赤黒い煙(爆発しそうな怒りと哀しみ)からあなたを守るために、適切な選択をしたいと感じますか?」と質問すると、
Wさんは「ごめんなさい。この人とのこととは別のことで、良い選択があったらしたいです。」と答えました。
Wさんには、自分自身からの怒りを減少させるための選択肢が狭まったことと、
それにより今後、内面の怒りのバランスが崩れやすいということを確認してもらいました。
そしてWさん自身の内面の怒りが、関係を断てない人を含めた他者との関係性に影響してくるだろうということも確認してもらいました。
余談
セッションの後半はWさんを悩ませていた身近な人物に再登場してもらい、
エンプティチェを使ってWさんの何に対して怒っているのか尋ねると、
その人物は「怒っていない。ただWさんは人の意見に過剰に反対し続ける部分があるので治した方がいいと思う」と答えました。
このことについてWさんは「そういう時(過剰に人の意見に反対してしまう時)、怒りがどんどん大きくなってしまっていると自分でも感じます。なんでこんなにムキになるのか。自分に対する怒りが混ざっているかも」と答えました。
ギフト
Wさんはこのセッションで、自分への怒りを知り、その原因を知りました。
そしてこの自分自身への怒りが、日常生活に滲み出して影響していることも感じました。
この潜在意識からの情報をどのタイミングで活用するか決めるのは、Wさんの人生のオーナーであるWさん自身です。
この有益な潜在意識からの情報は、今後もWさんの顕在意識にあり続けるので、
Wさんはいつでも、この情報を活用することができます。
それはWさんが自分に手渡したギフトなのかもしれません。