気づかぬ心の変化
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1976年生まれ、群馬県在住。
ヒプノセラピーの先進国、アメリカ合衆国の中でも長い歴史を誇る、ヒプノセラピーのナンバーワン・プロ団体「NGH」。ナンバーツーの規模を誇る「ABH」の両団体より公式認定されたスクールにて、ベーシック・トレーニング、プロフェッショナル・トレーニング、トレーナー・トレーニングの全コースを修了。
ヒプノセラピスト(催眠療法士)となる。
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気づかぬ心の変化
以前セッションを受けた女性Uさんは最近の変化に疲れを感じて、リラクゼーションを受けられました。
リラクゼーション
Uさんはとても疲れているといい、催眠状態になって、今抱えている問題から少し距離を取って休息したいと話しました。
そこで、Uさんを一番リラックスさせる人に誘導すると、Uさんはにっこりと笑って、「みんながいます。」と言いました。
Uさんが言うみんなとは、前回のセッションで出てきたとても古い時代の仲間でした。
この古い時代は、現在よりもとても文明が発達していましたが、当時の技術を人々が制御できなくなり、ある大陸が海に沈んだ時代でした。
前回のセッションでUさんは、燃える石が頭上を飛び交っている暗い海に、首だけ出して浮かびながら、大地の一部が海に崩れ落ちていく様子を茫然と見ていました。
この光景を見ながらUさんは、大地は自分と同じ生きている生命体だったのだと感じました。
ただ自分を支えている物言わぬ地面ではなかったのだと。
そして暗い海に浮かびながら茫然とするUさんの周囲からは『蛍の光』の合唱が聞こえていました。
前回のセッションでUさんはその合唱を聴きながら、「悲しい」と言い、しばらく涙が止まりませんでした。
今回のリラクゼーションで、Uさんが前回、悲しいと言った『蛍の光』が聞こえてきましたが、Uさんが当然、驚いたように、「蛍の光が聞こえているんですが、悲しくないです。あんなに悲しかったのに。。。」と言いました。
驚いているUさんに「この曲に対して今はどんな感情を持ちますか?」と質問すると、Uさんは「温かさ。子守唄みたいに心地よく感じます。それから『再生・絆の確認』と言う文字が頭に浮かんでいます。」と言いました。
リラックスタイム
リラクゼーションの後、Uさんは「リラクゼーション中、自分の中に力強い部分があって、それをもっと強くしていけるんだという感覚がずっとありました。」と言いました。
Uさんに、リラクゼーションで現れた『再生・絆の確認』という言葉に対して、浮かぶイメージを聞くと、
Uさんは「私の持っていた古い記憶が新しくなったイメージを感じます。あの記憶の別の側面に気づいたような感覚があります。
あとは『蛍の光』が悲しい曲じゃなく、リラックスして聞くことができたのが嬉しいです。」と答えました。
たくさんの変化に疲れきっていたUさんですが、Uさんが気づかない間に、心の内側では古いものを転換していたのかもしれません。
そしてUさんが疲れ切っている時も、Uさんの力強さは変わらず、Uさんの中にあり続けていることをUさん自身が伝えてきたようです。