自分の心がわからない?! チャンキングで解決しよう。
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1976年生まれ、群馬県在住。
ヒプノセラピーの先進国、アメリカ合衆国の中でも長い歴史を誇る、ヒプノセラピーのナンバーワン・プロ団体「NGH」。ナンバーツーの規模を誇る「ABH」の両団体より公式認定されたスクールにて、ベーシック・トレーニング、プロフェッショナル・トレーニング、トレーナー・トレーニングの全コースを修了。
ヒプノセラピスト(催眠療法士)となる。
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チャンキングとは?
NLPの手法で、チャンク(物事を捉える塊)を大きくしたり小さくしたりして、対象の物事をどのように認識しているのか整理したい時に使用します。
物事を捉える塊を大きくすることをチャンクアップ、そして小さくすることをチャンクダウン と言います。
例えば、あなたの住所をチャンクアップすると、日本⇨アジア⇨地球と認識する塊が大きくなります。
あなたの目的がアジアに住むことなら、日本以外にも選択肢が増えます。
逆にある特定の場所に住みたいと思う場合、そこには動機となる理由がみつかります。
チャンキングであなたの心を整理していくと、意外な思い込み、不必要なビリーフ(信念)に気づくことができます。
エピソード
女性Gさんは、優柔不断と言われることが多く、自分自身もそう感じていました。
Gさん自身も、相手に強く言いたいほどの欲求をあまり感じず、自分の心がわかりにくいと話しました。
Gさんの潜在意識にアクセスしていくと、低学年のGさんがリビングで寛ぐ両親を見ている場面が浮かんできました。
Gさんに、両親のそばに近寄って一緒に寛がないのか尋ねると、「近づきたくないみたいです」と答え、「叱られたのか?」と聞くと、Gさんは言いにくそうに「お父さんとお母さんはちょっと怖いから。。。。本当はお父さん、お母さんをあまり好きじゃない、お母さんもお父さんを嫌ってる。。。。。近づきたくない、1人で遊んでいたい」と言いました。
そして次の場面に誘導した時、幼いGさんは祖母と一緒で、祖母に叱られていました。
「お母さんを大切にしない子は、地獄に堕ちるよ。お母さんはGちゃんにいろいろしてくれるでしょ。悪い子はおばあちゃんも嫌いだよ。」
Gさんは子供の頃から、両親に対して他の子供のようになつけず、そのことに違和感を感じていたそうです。
両親とあまりスキンシップを取りたがらず、母親がGさんの態度を、ママ友や親戚に相談しているのを聞いてしまったことがありました。
Gさんは祖母との場面で、幼い自分に深くアソシエイト(当時の感情と一体化した状態)し、「地獄に堕ちちゃう、良い子にならなくちゃ」と涙をこぼしました。
Gさんは強い感情が込み上げているようで、セッション前の物静かな印象のGさんとは違い、泣きやむまでしばらく時間が必要でした。
次に重要な場面に移動すると、高校の教室で友達と笑いあっていました。
Gさんに「友達と何か楽しい話しをしているのか」尋ねると、「特に楽しくない、笑っているけどここに居る感じがしない」と答え、高校生のGさんは現在のGさんと同じように、自分の心がわからない感覚を持っていました。
高校生のGさんに、「自分の心が感じてることと、違う表現をするのは辛くないか?」と尋ねると、「何が辛くなるの?」と聞き返されました。
低学年のGさんから高校生のGさんの間で何かがあったようです。
そこで高校生のGさんにチャンキングをして、高校生のGさんの心の中のビリーフをみつけていきます。
高校生のGさんはあるビリーフを持っていました。どんなビリーフでしょうか?
それは周囲にあせて喜怒哀楽のフリをすれば、地獄に堕ちない(嫌われない)というビリーフでした。
Gさんの中には、自分の心が感じるままに行動する(両親に懐かない)と周囲から嫌われてしまう、自分の心を信用して行動してはいけないという恐れがありました。
このビリーフを作ったのはGさん自身ですが、そのことを思い出してもらうために、今度はこのビリーフに対してチャンキングします。
このビリーフをコントロールしているのは誰か、Gさんの主導権を取り戻し、幼さゆえの思い違い、心のショックと紐づいたルールを整理していきます。
余談
Gさんのガイドは、自分の心が感じられるようになるには、リハビリが必要だと言いました。
具体的に何をしたら良いか聞くと、「グランドキャニオンなど広大な大自然に触れて、頭が動き出す前に、心が震える感動を体感することが良い」とアドバイスをくれました。
新しい世界
再度、Gさんを祖母との場面に誘導し、祖母の言葉に対して今はどう感じるか聞くと、「特に感じない。おばあちゃんは自分に感受性豊かな優しい子になって欲しいと言いたかった気がする」と答えました。
そして「グランドキャニオンまで行くのは難しいから、近場の大自然に触れてみる」と笑いました。
これからGさんは、自分の心との信頼関係を取り戻していく、そんな新しい世界に踏み出していくのかもしれません。