前向きでいることが苦しい。。。 未処理の問題が原因かも?!
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1976年生まれ、群馬県在住。
ヒプノセラピーの先進国、アメリカ合衆国の中でも長い歴史を誇る、ヒプノセラピーのナンバーワン・プロ団体「NGH」。ナンバーツーの規模を誇る「ABH」の両団体より公式認定されたスクールにて、ベーシック・トレーニング、プロフェッショナル・トレーニング、トレーナー・トレーニングの全コースを修了。
ヒプノセラピスト(催眠療法士)となる。
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未処理の問題とは?
あなたがある状態を継続することが苦しくなる時、その状態でいることが、あなたの内側にある未処理の問題を刺激していることがあります。
もしかすると、未処理の問題はあなたの意識に浮上して、あなた自身に認識され、変容することを望んているのかもしれません。
エピソード
女性Bさんは、初めて役職が付き、数名のチームを持たされました。
Bさんは活気のあるチームにしたいと、独学でNLPを学び、部下たちのメンタルサポートに励んでいました。
Bさんは、自分たちのチームは、他のチームよりもコミュニケーションが取れていると手応えを感じていましたが、なぜかチームは業績に貢献出来ず、このままでは単なる仲良しグループのまま解散する可能性も出てきたそうです。
そして近頃はBさん自身も、部下たちの悩みを聞き、勇気づけ、前向きな思考に変えようとしている自分に違和感を感じ、前向きでいようとするのが苦しいと話しました。
Bさんはカウンセリングの中で、頻繁に『前向き』という言葉を使いました。
Bさんにとって『前向き』という言葉は何を指しているのでしょうか?
イメージワークで、『前向き』という言葉をチャンキングしていくと『みんなを笑顔にしたい、光のような、そんな存在としてみんなを光の方に連れて行きたい』という想いが現れました。
この欲求の動機を紐解いていきます。
Bさんを場面誘導していくと、Bさんは出入り口の無い暗い空間にいました。Bさん以外誰も居ない空間でした。
この空間をしばらく漂ったあと、Bさんはある感情を感じ始めます。
その感情は、やっぱり許されないんだという感情でした。
Bさんは何に対して許されないと感じるのでしょうか?
次の場面でBさんは、ヨーロッパの若い男性として、広場で公開拷問を受けていました。
Bさんとその仲間は、領主の無謀な搾取に反抗した為、反逆罪で捕らわれ、Bさんはレジスタンスのリーダーのような存在でした。
この拷問場面でBさんが一番気にしていたことは、自分が仲間をこの騒動に誘ってしまったことでした。
そのことに対してBさんは「申し訳ない、この罪(仲間が拷問を受け死んでいくこと)を背負いきれない、このまま消えてしまいたい」と言葉を詰まらせました。
Bさんに、反乱を起こす前に勝敗はどれくらい見込んでいたのか質問すると、「勝てると思っていた。でも無知過ぎた、農民と軍隊の違いをちゃんとわかっていなかった。自分の想いだけでみんなを煽ってしまった(勝てると思わせてしまった)」と答えました。
ここからBさんは執拗に自分を責め始めます。
そこで、この騒動をBさんの仲間はどう感じていたのか、エンプティチェア を使って、Bさんが一番気にしている仲間に意識を移動させてみます。
するとその仲間は意外なことを話し始めました。
「この反乱が失敗するのは初めから分かっていた。でもやってみたかった。自分で決めたことだから、そんなふうに感じて欲しくない。自由の無い農民で終わるのでなく、最後に自分らしく生きれて嬉しい。」
この仲間に「またBさんに逢いたいですか?」と聞くと、「もちろん」と答えました。
余談
Bさんに、この仲間と現在の人生で出会っているか聞くと、「今回は出会わない?みたいです。もっと素敵になってから、また逢いたい」と答えました。
新しい世界
Bさんに仲間の言葉を聞いてどう感じるかたずねると、「自分が光じゃなくても、許されていた。大きなものに許されているような感じ」と答えました。
そしてBさんの表情はとてもリラックスしていたので、その意識のまま、昨日までの自分を他者として客観的に振り返ってもらい、自分に対して、他者の視点から必要なアドバイスをしてもらいます。
Bさんは自分に、こうアドバイスしました。
「人に傷つけられたら怒っていい、怒りがあるのに笑いかけてるから苦しむ。そして自分の弱さを裁かないこと」
Bさんにとっての新しい世界は、自分自身に、柔軟性と包容力を持って接する世界なのかもしれません。